コーポレートコンセプト
出版社を作ろう。
最終的に僕がそう決意したのは、2011年1月4日午前3時ごろでした。
作ろう、というよりはむしろ、作るしかない、という覚悟に近いものだったと記憶しています。それまで長年、頭の中に渦巻いていた漠然としたイメージの断片を、そのとき一気に書きなぐったことを、いまでも鮮明に覚えています。
自分が会社を設立するなんて、考えもしなかったことでした。
団体行動は大の苦手。それに誰かを率いるなんて柄でもない。
自分が責任を負える範囲で、身の丈に合ったことをしていければいい。
もともとそう思っていたから、フリーランスの道を選んだはずでした。
ありがたいことに、いろいろなお仕事をいただき生活も安定していました。
それでも、出版社を作ろうと考えたのには、訳がありました。
世に出すべきと自分が信じたことを、自己責任のもとに、発信していきたい―――。
長年抱き続けていたその気持ちに抗うことはできませんでした。
そのためには、発信基地なるものが必要でした。
テレビ局は許認可事業だし、新聞社のような大資本もない。たったひとりから始められるベースステーション、それが出版社でした。
それでも、最初はひとりだけでやっていくつもりでした。
ひとりでぼちぼちやっていければ、それでいい。そう思っていました。
そして、その5か月後。
ミライカナイが自然に大きく動き始めました。
どうしてそんなことになったのか、いまでも僕には知る由もありません。
出版社ミライカナイのもとに、仲間たちが集まりはじめたのです。
およそ7年間、音沙汰なかった心から愛すべき後輩との再会。
まったくの異業種を歩んできた、価値観があまりに酷似する仲間との遭遇。
縁もゆかりもない相手に、真っ直ぐに向き合ってくれた大先輩との邂逅。
そのどれもが、いま思えばですが、偶然という名の必然だったような気がします。
僕はとくに運命論者でもなく、信心深いわけでもありませんが、過去の多くの経験上、ひとつだけ信じ、身を委ねていることがあります。
"人は、然るべき時に、然るべき人と出会うことになっている。"ということ。
特別な才能があるとも思えない自分が、やりたいことをずっとやり続けることができているのは、そうした人との偶然の出会いがあり、その人たちの支えがあるからこそだと思っています。
いままでも、いつだってそうでした。
さんざん悩みぬいた挙句、飛び出した海外でたまたま出会ったオヤジ。
築き上げたすべてを失い、途方に暮れていたとき、突然現れた生涯の恩人。
自らの境遇をものともせず、底抜けの明るさで道標となってくれた大親友。
などなど、数知れず。
そんなことが、いままでたくさんありました。
いつだってそうでした。
交わることがなければ、きっと一生関わり合いもなかったのでしょう。
でも、何かの縁でふと、交わってしまった。交わることができた。
そして、驚くほどに会話が弾み、互いにイマジネーションがとめどなく湧き上がってきた。
それをカタチにしないと、居ても立ってもいられなくなった。
音楽×文学×絵画×政治×経済×科学×医学×スポーツ×男性×女性×こども×おとな×人間×動物×東洋×西洋。
そして、過去×現在×未来...。
垣根を越えた仲間たちが、何かのきっかけで出会い、生み出されるものは無限です。
そんな出会いを、そんな感覚を、ミライカナイは何より大切にしたいと考えます。
まだ見ぬ仲間たちに、想いを馳せながら。
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